BYD、PHVを日本初投入 HVの牙城崩せるか 競合車より100万円以上安く
電気自動車(EV)大手の中国・比亜迪(BYD)がプラグインハイブリッド車(PHV)で日本市場に攻勢をかける。1日に販売を開始した「シーライオン6」は、同カテゴリーの競合車に対して100万円以上安い価格設定とした。ただ、国内乗用車市場でのPHVのシェアは1%程度と、EVより低い。BYDは低価格PHVで国内の半数を占めるハイブリッド車(HV)市場を切り崩すことができるか。
同日、都内で開いたシーライオン6の発表会で日本法人であるBYDオートジャパンの東福寺厚樹社長は「先進国の中でもEVやPHVのシェアが低い分、伸びしろはある」と期待を込めた。
HVが乗用車販売の半数を占める国内市場では、EVとPHVのシェアは1~2%程度にとどまる。ただ、EVに関しては米テスラやBYDが台数を伸ばしており、4~9月の販売台数では輸入車が国内メーカーを上回り、勢いを増している。
一方、PHVは国内勢が先行している。BYDはシーライオン6を日本市場に投入する上で、ベンチマークとして挙げたのがトヨタ自動車「ハリアー」や「RAV4」、三菱自動車「アウトランダー」のPHVだ。こうした競合車に対してシーライオン6は車格やEVモード走行距離など遜色のない性能でありながら、100万円以上安い価格設定とした。
BYDは2008年に世界で初めて乗用の量産PHVを投入し、世界累計販売台数は740万台に達する。EV大手として知られるBYDだが、世界販売の半数以上をPHVが占め、その量産効果も大きく価格競争力は高い。また、BYDのPHVシステム「DM」は拡張性の高さが特徴だ。シーライオン6に搭載する「DM-ⅰ」は、熱効率43%を謳(うた)うPHV専用の1.5リットルエンジンと容量が異なる車載電池を組み合わせ、幅広いセグメントに対応するという。
今回のシーライオン6には搭載されていないが、BYDが昨年発表した次世代のDM-ⅰは熱効率46%の高効率エンジンを搭載し、航続距離は2千キロメートル超を実現する。また、四輪駆動用「DM-p」、高性能車向け3モーターの「e3」、4モーターの「e4」と、PHVパワートレインのラインアップは他の追随を許さない。東福寺社長は国内でも「ニーズに合わせて選んでもらえるように、品ぞろえを進めていきたい」と話す。
ただ、国内の電動車市場は「HVの伸長が圧倒的だ」(BYDオートジャパン商品企画の新道学部長)。シーライオン6の価格はRAV4のHVの価格に肉薄しており、補助金を使えば逆転するグレードもある。HVラインアップを持たないBYDが日本で販売を伸ばすには、低価格PHVでHVユーザーを取り込むことが不可欠となる。